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アホ支群本部
千葉県東葛郡市川町に大正年間に創業した「市川広小路 平和堂」。 創業以来、市川の地で国府台連隊をはじめ、軍部隊納めの商いを行うも市川空襲で焼夷弾の直撃を受け被災、廃業。 平成20年。半世紀余りの眠りから覚醒し、国防産業の「隙間のスキマ」を狙う「国防商会」として再始動。 部隊購入、隊員個人によるセミオーダー、PXメーカーに対する助言等、「かゆいところに手が届く」各種個人装備、被服、旧装備の復刻等を行っています。 詳細は「オーナーへメッセージ」よりご連絡下さい。
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2013年02月12日

戦後警察けん銃について (モーゼル拳銃)

「群馬県警察史」において使用が確認された「モーゼル拳銃」。

終戦まで朝鮮や、満州などの外地では警察官にモーゼルC96が使用されており、日本軍でも「モ式大型自動拳銃」として準制式化されていたことから、



「戦後日本警察でも『モーゼル』ことC96が使われていた?」

と、局地的に話題となっていたが、前回記事の掲載後に情報が寄せられたので、ご報告。

おさらいすれば「群馬県警察史」では、昭和23年3月当時で「一四年式(214丁)」に次ぐ勢力として「モーゼル(38丁)」が群馬県下の各警察署に1~2丁配置されており、本部保管分と合わせた場合、数の上では「群馬県警の主力けん銃」であったことが記されている。

以下、日本軍研究をされている在野の研究家の方から頂いたお便り。

「昭和6年に、福岡県警察部では「放縦無節制ナル渡者蝟集」する鉱山等の警戒のため私服員に対し「4 1/2インチ モーゼル十連発自働拳銃」の帯用許可が申請され認可されています。この当時に「モーゼルHSC自働拳銃」はありませんから、この「4 1/2吋(インチ)モーゼル十連発自働拳銃」はおそらく「モーゼルM1910自働拳銃」あるいは「モーゼルM1914自働拳銃」のことと推測されます。」(千葉県 てつさん)

http://www.jacar.go.jp/DAS/meta/image_A05032023700





※ 広告中には25口径で「全長四寸二分」(※約126㎜)、32口径で「全長五寸(※約150㎜)」の文字が確認できる。





※ 国立公文書館に保管されている「警察官吏拳銃帯用の件(福岡県)」では「独逸モーゼル自動拳銃 全長4 2/1吋(インチ。=113.76㎜) 十連發」と記されているため、福岡県警で使用されたモーゼルは「全長113.76㎜のモーゼル自動拳銃」ということになり、寸法的にはモーゼル自動拳銃のうち25口径のものが「全長四寸二分」(※約126㎜)と近似しており、25口径のものを使用していた可能性が高い?

――と、調査を進めていたところ、新たなお便りを頂戴。

「写真の銃がモーゼル拳銃です。同形で小型と大(中)型があり、口径も小型が25口径で大型が32口径です、カタログからも解るように日本軍の将校の私物や官公庁向けといては戦前はかなりポピュラーな存在でした。文鎮モデル(大型)を見ても、ブローニングと同等のコンパクトさが見てとれます。」(千葉県 からし伍長さん)





※ 文中には「総長 四吋八分ノ三」(約110.59㎜)、「弾倉装填数 九發」の記述が確認できる。

ここで改めてC96はじめ、いわゆる「モーゼルミリタリー」の諸元を見てみると、



全長 308mm
銃身長  140mm
装弾数 10発、20発


C96の銃身長は140㎜であり、「警察官吏拳銃帯用の件(福岡県)」の資料中にある全長4 2/1吋(=113.76㎜) 十連發」の全長をはるかに超えており、全長では180㎜余りの違いがある。この時点でC96が福岡県警察部で使用されていた可能性は排除することが出来る。

wikipediaの「モーゼルC96」ページの「運用」の項目の、

「戦前、日本の警察の一部でも採用された例(福岡県警察部が「独逸モーゼル自動拳銃」として内務大臣に使用認可申請)がある。」

以上の記述は誤りであることが判明。これは記述の根拠となった資料を読めばわかる部分であったはずだが、「モーゼル=C96」という「そうであって欲しい」というマニア特有の思い込みが招いた編集者の誤記であったといえる。こういった個人の「思い込み」がwikipediaなどに記載され、拡散することで、誤りが固定化される部分があり、歴史は捏造される。「wikipediaはソースに成り得ない」ということを証明したかたちといえる。

「群馬県警のモーゼル」に話を戻せば、

・福岡県警で使用された「モーゼル自動拳銃」はM1910またはM1914の可能性が高い
・終戦まで日本軍将校の私物拳銃として「モーゼル自動拳銃」は広く流通し、入手が容易であった
・内務省時代から警視庁などはブローニングなどの小型けん銃を使用していた
・終戦まで警察官個人の「私物拳銃」が存在した


などの要素から、群馬県警で戦後混乱期に使用された「モーゼル」も「モーゼルM1910自働拳銃」「モーゼルM1914自働拳銃」の可能性が高まったといえるが、「モーゼル自動拳銃」と呼ばれた拳銃のバリエーションは多く、文中でも度々言及した「警察官吏拳銃帯用の件(福岡県)」もタイトルの通り、戦前の福岡県警察部での話であって、戦後の群馬県警にそのままあてはめられるものでもなく、さらには終戦まで「警察官の私物拳銃」が存在。各地の警察史を読めば、これらの私物拳銃が戦後も管理替えして使われた記述があり、このなかにいくつかの種類のモーゼルが紛れ込んだ可能性もある――と、やはり一筋縄にはいかない戦後警察けん銃事情の調査なのであった。





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Posted by アホ支群本部 at 02:33│Comments(2)調査研究
この記事へのコメント
M1910との弾丸の共用や携帯性を考えたら今回のM1914使用説も十分成り立ちますね。C96はともかく、HSCも使われたのか?
明確な資料が発見される事願います。
余談ですが、こうした個人販売された拳銃は戦時中に軍部によって押収。将校や海外の情報、工作員用に使用されたそうです。
Posted by やまさん at 2013年02月12日 08:27
決定的な証拠には欠けますが、状況証拠的にM1914の可能性は高いのではないか?と、個人的には感じています。

やはり警察けん銃の世界は奥深すぎます。
Posted by 平和堂平和堂 at 2013年02月13日 00:11
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